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認知矯正療法(NEAR)による統合失調症の認知リハビリテーション

NEARのご紹介

 認知機能という言葉をご存知でしょうか? 認知機能とは、記憶力、注意力などの脳の機能を表した言葉です。一般的に統合失調症などの精神疾患を患うと、精神症状により生活が思うように行かなくなると思われがちですが、実は病気により認知機能が低下することで生活しにくくなることが知られるようになりました。例えば、「手際が悪くなって料理がうまくできなくなった」とか「何度も本を読み返さないと話が分からなくなった」などといった具合です。認知機能は趣味、仕事、家事、日常生活など生活全般に影響します。精神症状に関する悩みは認識されやすく、診察室などでも主治医に相談されると思いますが、診察室で認知機能を評価することはあまり行われていません。認知機能を改善することは患者さんの生活をより豊かにするためにとても重要ですが精神疾患による認知機能の低下は薬物療法ではほとんど改善せず、これまで認知機能の改善を目的とした治療はほとんど行われてきませんでした。
 そこで近年、コンピューターゲームを使って認知機能を改善する方法が開発され、アメリカ、ヨーロッパを中心に世界的に行われるようになっています。いくつかの方法がありますが、代表的なものの1つがNEAR(Neuropsychological Educational Approach to Rehabilitation)と呼ばれるものです、1回60分のコンピューターゲームセッションを週に2回、半年間行います。ゲームは約30種類あり、一人ひとりのレベルや好み、認知機能、目標に合わせたゲームソフトを選択して行います。また並行して週1回30分程度の少人数のグループミーティングも行います。グループミーティングでは認知機能と生活の関わりを学んだり、認知機能の改善点やコンピューターセッションの目標を確認したりします。
 当教室ではNEARを近隣の精神病院と協力しながら実施し、NEARに関する研究を行っています。