人類にとって
最も神秘的な精神の世界。
その疾患の病態の理解と
治療に取り組む。
こころの不調からの回復と、
社会の中で「自分らしい生活」を
送れるよう、
サポートしています。
精神科科長
岩田正明
Masaaki Iwata
  • 専門領域
    • 気分障害
  • 資格
    • 精神保健指定医
    • 精神科専門医
    • 精神科専門研修指導医
    • 日本総合病院精神医学会指導医
    • 介護支援専門員
    • 医学博士

厚生労働省は精神疾患を5大疾病の一つと位置づけ、
国の医療対策において特に重点を置く方針を示しました。

ストレス社会におけるうつ病患者数の増加は、
大きな社会問題となっており、精神的不調の治療や、
リカバリーの重要性が社会的に認知されてきています。

当教室では、生物学的、心理社会的アプローチ両面から
精神疾患の治療・研究に力を入れています。

患者さんにとって「その時最も求められること」
プランニングし、ご家族、地域の関連機関の協力のもと、
治療転帰の改善に取り組んでいます。

地域医療への貢献、精神医学の発展への寄与、科学性と共感性を兼ね備えた精神科医の養成
必要なコミュニケーションを
図ることができる、
患者と医師の関係を築く。
精神医療は、患者さんに対する十分な理解を背景とした協力をもとに、
はじめて成り立っています。患者さんを支えるネットワークと協働しながら、
精神医療を行なっていきます。
地域医療への貢献、精神医学の発展への寄与、科学性と共感性を兼ね備えた精神科医の養成

診療案内

  • 外来で当科を初診される場合は地域の医療機関の医師の紹介状が必要です。
  • 月曜日は初診・再診ともに行っていません。
  • 外来はリエゾン初診(他科入院中の紹介)のみ承っております。
  • 医師、看護師、薬剤師、作業療法士等の協力体制のもと、入院治療も行なっています。

対象疾患

一人の患者さんを巡る、
多様な課題にアプローチする。
当科は大学病院の精神科として、統合失調症やうつ病において、従来の治療で十分な改善が得られなかった、
  • 治療抵抗性の方に対する先端的方法を用いた治療
  • 精神疾患と身体合併症の両方をもつ方の精神科的治療
も重要な使命と考えております。
  • 統合失調症
  • 気分障害(うつ病、躁うつ病)
  • 不安障害
  • アルコール依存症
  • 発達障害
  • 睡眠障害
統合失調症
Schizophrenia
統合失調症の主な症状は、幻聴や妄想などの陽性症状、意欲低下や引きこもりなどの陰性症状、作業能力低下や注意力低下などの認知機能障害があります。不登校やうつ状態で始まる場合もあります。初発年齢は、80%が15~30歳に集中することから、学業や仕事への影響が大きい疾患です。又、発病初期の数年が予後に影響を与えるという説があり、初期治療の重要性が強調されています。
気分障害(うつ病、躁うつ病)
Mood disorder
気分障害には、大きく分けて「うつ病」と「双極性障害(躁うつ病)」があります。
「うつ病」と「躁うつ病」の鑑別診断、「うつ」の診断の話題を中心に、この疾患について紹介します。
不安障害
Anxiety disorder
外来にて、全般不安症/全般性不安障害、パニック症/パニック障害、強迫症/強迫性障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの治療を行っています。
治療方法は、主に薬物療法と認知行動療法です。不安障害は併存疾患が多く、特にうつ病を合併しやすいと報告されており、重症度によっては入院環境にて心身の包括的・集中的な治療を行うことも可能です。
アルコール依存症
Alcoholism
鳥取大学精神科ではアルコールリハビリテーションプログラムという名称でアルコール依存症の教育入院を個別に行っております。
以下の3点から、「普通の酒飲み」と「アルコール依存症」の線引きをしています。
  1. アルコールを調節して飲むことができない病気
    (飲酒のコントロール障害)
  2. アルコールが切れてくると、離脱症状(=禁断症状)を認める病気
  3. 連続飲酒がある(48時間以上酩酊状態がつづくこと)
発達障害
Developmental disability
発達障害とは、生まれついて脳の機能のアンバラスがあるもので、得意・不得意がはっきりしている特性を持っています。
当院では、精神科、脳神経小児科、小児科、鳥取大学医学部大学院臨床心理学科が連携して、発達障害の診察、治療を連携して行なっています。
睡眠障害
Sleep disorder
日本人の5人に1人は「十分な睡眠がとれていない」と報告しており、今や睡眠障害は国民病とも言えます。
鳥取大学医学部精神科では、ストレスやこころの病気から来る睡眠障害はもちろんのこと、ほかの原因による睡眠障害も他科と連携を取りながら適切に対応しております。

教室紹介

精神医学の科学的研究基盤を作った、
歴史ある教室。
本教室は、我が国におけるうつ病の病前性格として世界に先駆けて「執着気質(immodithymia)」を発表したことなど、我が国の精神医学界に大きな足跡を残している故下田光造初代教授により、昭和20年9月、官立米子医学専門学校精神医学講座として開講されました。

研究

治療の選択の幅を広げる、
先進的取り組み。
精神医学と精神医療は、着実に進歩を遂げている脳科学や心理学から大きな影響を受けています。当教室では、4つの研究グループが活動しており、最新の理論・方法論を取り入れながら、研究に従事しています。

入局者募集

個性を尊重し、自由に議論する。
鳥取大学精神科では、各人の個性を尊重し、自由に議論できる雰囲気の中で、特徴をもった卒後教育を行っています。意欲、志、倫理性をもち、倦むことなく地道な努力を続けられる新しい仲間が加わることを教室全体で歓迎します。